話すスピードを調整する

声かけは、何を話すかより、どう話すかが重要だと思う。

その一つが話すスピード。知らない人に話しかける時、話すスピードは自然と早くなる。ただ早口で話してしまうと、相手は聞く態勢を取れない。早口は攻撃的な印象を与える。人が早口で話すのは、怒ったり、反論する時だから。

声かけの時は自分の話すスピードに意識を向けて、いつもの会話より少しゆっくりしてみる。それだけで相手に安心感を与えることができる。

ただ一様に声のスピードを落とせばいいわけではない。少しゆっくり話しかけても相手に緊張感がある時はもう少しスピードを落としてみる。逆に話しかけて相手に緊張感がない場合は、話すスピードを維持するか、少しだけ早くしてみてもいい。

大切なのは相手の状態に合わせて 、自分の声のスピードを調整すること。話しかける前に相手の状態を感じることも大切だけど、第一声から調整するほうがもっと大切だと思う。声をかければ、反応がなくても、相手の状態はわかるから。

第一声で無視される時もあるかもしれない。それでも諦めないで、根気強く、優しく話しかけたほうがいい。無視された時は、間が生まれていることが恐くて、一方的に早口で話しかけやすい。無視されたら、改めて相手に意識を向けてみる。相手の目線の先、歩き方、服装、靴。なんでもいい。そこから相手の状態を感じようとすること。相手の状態がわかれば、相手への恐怖心も消えていく。その時、1、2秒の沈黙が生まれるかもしれない。でも恋人や友人と話す時。1、2秒の沈黙や、お互いが相手に意識を向けてない状態はあるのだから。沈黙は気まずくない。その瞬間、逆に相手を観察できるチャンスだと思ったほうがいい。

どんな時でも冷静に諦めないで、相手に意識を向け続けて、声のスピードを調整すれば、人は話を聞いてくれる。